2023-03-19 ベートーヴェン-届かなかった手紙-
《観劇日時・劇場》
2023年3月19日(sun) 紀伊国屋ホール
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人生で初めての1列目ゼロズレを経験してきました。なぜ生きてるのか不思議です。
ベートヴェンが残した「不滅の恋人」へ宛てたの三通の恋文。彼の愛弟子、フェルディナント・リース。彼がその「不滅の恋人」を探す旅に出る。
朗読と演奏のバランスがとても好みなリーディングコンサートでした。物語のテンポ感もとても良く、世界観に没入できる。短期集中!って感じ。
ベートヴェンの人生に寄り添ってくれていた女性たちを訪ねることで、晩年のベートヴェンの人生を知っていく構成が、とても好き。
演奏のターンで演者は、用意されている椅子に座って微動だにせず演奏を聴いています。演奏中、演者用のスポットライトが少し落とされた中で演奏を聴く五関さんのお顔があまりにも美しく、芸術作品かと思いました。
自分でも何を言っているか分からないんだけど、五関さんは声まで運動神経が良いのではないか。何公演か入る中で、あまりにもセリフにブレがなくて。この人もしかして身体でセリフ覚えてない!?って思っちゃった。完全に動きを封印した朗読劇は今作が初だったと思うんだけど、とても良かった。五関さんの声のお芝居をじっくり堪能出来てとても贅沢な時間でした。
壮年期のフェルディナント・リースが五関さんにとてもハマり役だったように思う。深みがあるのに若々しく快活な声。イメージぴったり。ストーリーテラーの役割も見事にこなしていて圧巻でした。SNSで手元の台本から一切目を離さない姿勢に批判的な意見もチラホラ目にしたけど、私は演出だと受け取った。1幕の終わりに正面を向いた時の効果が絶大だったように思うし、なにより私はこの構成を「不滅の恋人」探しを朗読しながらな振り返る、という受け取り方をしているので、あえてだと思った。
台本を捲るたびに残りのページが少なくなっていく様がとても寂しかった。「不滅の恋人」が流す涙がとても美しかった。毎公演、涙を流しているのだろうか。思わず、という感じに見えた。
内容はこのくらいにしておいて…
五関くんめちゃくちゃ花粉にやられてた。開演直前に颯爽と舞台上にスタッフ現れてティッシュの束置いて行って、絶対五関くんや…て思ったらビンゴ。ずっと鼻すんすんすんすんすんすん啜ってて。目も赤くて見てるこっちがかゆかゆ。よく乗り切ってるよ…。2幕で台本の持ち方変わってて、ん?って思ってたから左手にティッシュ仕込んでてかわいそかわいかった。
マチネのカテコで3回目はける前、演者全員はけさせてからティッシュの束をガッて掴んで、花粉ダメダメ🤧みたいなジェスチャーしていかれました。5回目?全員ステージ上に揃うまで時間あって、五関くんが花粉ヤバいねってお話ししてくれて、ここだけの話…って本番中の花粉ハプニング披露してくれた🤫おもしろミニトークショーでも始まったんかと思って笑いました。どこまでも楽しい人です。
それにしてもカテコ多くない????拍手鳴り止んだな〜くらいでまた出てきてくれて笑っちまった。五関くん颯爽と登場してから他の演者着いてきてなくてびっくりしてたけど独断なわけないもんね??隣の知らん人と多くないです?ってお話ししてしまった。
なんだか凄い席でとても贅沢な時間を過ごしました。耳と目、心が幸せでいっぱいです。
2017-02-05 A.B.C-Z「Reboot!!!」ポスターお渡し会
※別サイトから引っ越し(2023-06-09)
《日時・開場》
2017年2月5日(sun) ベルサール高田馬場
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デビュー5周年を記念しリリースされたシングルCD「Reboot!!!」の購入者限定イベント。購入者は誰でも一人2回まで参加可能。メンバーから直接ポスターが手渡される無料イベント。この前代未聞のスペシャルイベントが突如発表され、秒で始発の新幹線を取りました。まさかあんな天国と地獄が待っているとは知らずに。
・午前8時 遠い地元から始発の新幹線に乗り都内に到着後、すぐに会場へ向かい列に並び始める。
↑手の甲にスタンプが1つ押されました。1回目は赤。2回目は青。
会場内では大きな会議室?が二つ待機室として用意されており、中では永遠に歴代MVが流れていました。MV鑑賞特典のおかげ?で河合さんのネバマイでのあるシーンで必ず笑いが起こる。特典で確認しよう!
目測でしかないけど恐らく1,000人前後で1グループのルーティンを作り出していたと思われる。
・午前9時 並び始めたのが早かったようで、第1グループの最後の方に滑り込む。報道陣いっぱい。
開始時刻の9時になると、前方のステージにA.B.C-Zが登場。私服。かわいい。このグループからお渡し会をスタートします、という旨の説明とここでまさかの「ハイタッチ会」であることが発表され絶叫。そのままメンバーは待機列の横(部屋の一番左側)を通りハイタッチのスタンバイへ。
この前説は1グループごとに毎回行われてからハイタッチ会スタートだった。優しぃ…。
・午前10時30分 1巡目がやってくる。この時点で2時間半も並んでるのヤバくない?
ハイタッチの順番は…
(河)→(五)→(橋)→(戸)→(塚)
※塚ちゃんはポスターお渡し係
1巡目は運営側が来場者の予測を完全にミスっていて剥がしがとても優しく、少し会話が出来た。ハイタッチが始まる直前、ブースに入ってからハイタッチするまで1~2分あってメンバーを眺められた。緊張しすぎて心臓が口から出るかと思った。比喩じゃなくて、マジで。
・私「○○から来ました!また来てください!」
河「おぉ!分かったよ!」ハイタッチ!
マジで顔が華やか。まつげばっさばさ。リアクション大きくて神。手が私より小さかった。おてて。ハイタッチしたら「ぺち」っていった。
・私「小学生の頃からずっと好きです!」
五「おお~!!」ハイタッチ!
この必死の告白に、ありがとうと返してくれた気がするんだけども!なんと次に待っていた橋本くんがまさかのフェードイン。
・橋「マジで!?すんげぇ~~!」ハイタッチ!
確実にギャルだった。会話泥棒。可愛かった。
この怒涛のはしご攻撃に為す術などなく、御顔を直視した記憶なんて残っているわけもなく、会話を覚えていただけでも奇跡。何が起こった。
五関くんの手はやっぱり大きくて綺麗だった。橋本くんはTHE男の人!って感じの厚さできゅんきゅんした。
・戸「ありがと~」ハイタッチ!
はしごの衝撃を引き摺りまくり、追撃で戸塚祥太の顔面を間近に浴びて沈黙するしかありませんでした。戸塚くんの手は少しかさついていて、でも一番がっしりした厚い手でした。好き。
・塚「たくさん待ったでしょー!ありがとー!」エッサ!ホイサ!
ポスターを目を見てにっこにこで渡してくれました。太陽。
ハイタッチを終えてから、すぐにエスカレーターでオタクは会場の外へ排出されます。次々に排出されるA.B.C-Zに骨抜きにされた人間たち。いざその一員になってみると、まじで天に召されているのでは、と錯覚しましたが、間違いでもない。
・午前11時30分 軽食とお手洗い休憩を挟み、2巡目に向けて並び始める。
ここからおよそ4時間。2月の寒空の中、外で並び続けました。途中雨が降って来て、傘を持ってなかった私に前の方が傘に入れてくださいました。本当にありがとうございました。あまりにも動かない列。Twitterで呟くと同じ状況にいるフォロー内外のいろんなえび担からここに並んでるよ!のリプを貰い、嬉しくなりました。最終的に「マイムマイムでも踊りませんか?」となりました。
やっと室内に入り、ハイタッチ直前の部屋まで漕ぎつけました。着飾った綺麗な女たちが足を投げ出し地面に座り込む地獄の部屋が出来上がっていました。休憩なくこの人数を捌き続けるA.B.C-Zが一番すげぇよ。
どのタイミングだったか忘れちゃったけど、ハイタッチが強すぎて手が腫れてきたからソフトタッチでお願いします、とメンバーからのお知らせがファンを通してTwitterで回ってきました。
・午後4時 ハイタッチ前のトークスタート。
ハイタッチの並びは(五)(河)(橋)(戸)(塚)※ポスター係
剥がしが強烈になったからか、案外スムーズに回ってきた。
自分の番が早々にきて、初手の五関くんに「お!」って顔をされた気がする。気が!「もしかして覚えてくれた!?」って勘違いを発揮している間にパンパンパンパン!ってハイタッチ終了。秒。一応流されつつも5人共に目を見て「ありがとう」と伝えられたので満足。
エスカレーターで天に召されながら気付いた。塚ちゃんとハイタッチしてない。
並んだ時間の合計は『約10時間』。好きな人のためなら10時間も寒空の中で立って待ち続けられるんだと感動した。
A.B.C-Z、デビュー5周年本当に本当におめでとう。
そしてこんな素敵なイベントをありがとう。
2017-01-08 シェイクスピア物語
※別サイトから引っ越し(2023-06-08)
《観劇日時・劇場》
2017年1月18日(sun) KAAT神奈川芸術劇場
2017年1月28日(sat) 中日劇場
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無駄に担歴は積み重なっているが、実はこれが五関さんの出演舞台初観劇。
というのも、やっと自分でお金を稼げるようになり遠征が出来るようになったから。これまでとても長かった。そんな思いで着席し幕が開くあの瞬間の胸の高鳴りをいつでも鮮明に思い出せる。ここからは、全く物語に集中出来ず、ただ大好きな人を目に焼き付けるのに必死だったオタクの感想の箇条書きがスタートします。
・開演。黒幕を纏った複数人の中に紛れる五関さんを顔も出ていないのに所作とサイズ感のみで見つける。(上手から出てくるブーツ)
黒幕を脱ぐと五関様登場。あまりの眩さに眩暈。ネッド・アレン仕様の舞台メイクがとにかくお似合いでした。はっきりとした目鼻立ちをより強調させるメイクに、五関さんの高貴さを引き立たせるヘアメイク。声を漏らさないように必死でした。
・ソロダンスが多かった。とてもしなやかで力強いのに繊細。その表現の幅に魅了されました。好き。
・いざ台詞を発した瞬間も感動しました。芯のある、どこまでも通る声。言葉がスラスラ入ってくる。
五関さんに限らずどの演者さんもさすがプロで、劇中劇の多い今作で声の使い分けが巧妙で物凄く感動した。喋り方のバリエーションってここまで操れるんだ、と。
・アレンがウィルを殴るシーン。2人の表情を見てると胸が痛くてしんどかった。
・役として舞台袖にはける時、完全に見えなくなるまでネッド・アレンである姿にグッときた。
・大千秋楽。鳴り止まないスタンディングオベーションにこちらが感動してしまった。五関さんからの挨拶で「再演キボンヌ」との発言がありました。お願いしますね。いつまででも待ちます。とても素敵な時間でした。
このような感じで、物語に関する感想がペラペラでこんな人間が一席埋めているのが申し訳なくなりました。でも、とてもいい経験でした。五関さんが長年培ってきたものをたくさん受け取れた気がします。ますます大好きになりました。
次の現場が楽しみです。
2023-05-27 BACKBEAT
《観劇日・劇場》
2023-05-27(sat)
2023-05-28(sun) 東京建物 Brillia HALL
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ビートルズについても、ロックについても、全く知識のない人間が感情のままに書き込んでいます。許せ。
2019年の初演時の興奮をどこか心のすみっこに燻ぶらせたまま過ごしていたある日、飛び込んできた『再演』のニュースに一気に体温が上がりました。あの5人の演奏を、お芝居を浴びることが出来る!情報解禁から観劇まで、本当にあっという間でこれを書いている今も、あの5人ががむしゃらに音を奏でている様子が目に浮かびます。
ビートルズ、幻の5人目。スチュアート・サトクリフ。彼の人生を覗き見しているかのような構成が私は大好きです。戸塚さんとスチュ。戸塚さんがスチュに似てきているのか、それともスチュが戸塚さんに似ていたのか。私には二人の境界線みたいなものが最早見えなくなってしまい、少しの危うさを感じるほどです。日本に戸塚さんほど、スチュアート・サトクリフを体現するに相応しい役者が他にいるでしょうか。いないと思います。それほどお二人の相性の良さに魅了されました。
開幕。舞台中央に置かれた大きな額縁。その真ん中に登場するスチュ。大きなキャンパスにダイナミックに絵を描くパントマイムから始まりました。
絵具で汚れた画家の手。この手が今から何を手に入れ、手放していくのか。初演時に心を鷲掴みにされているので、既に胸がいっぱいでした。
そこにベースを持って現れるジョン。私は彼こそがスチュの”運命の人”だと、解釈しています。ジョンは無遠慮に額縁を踏み越えるのがいいよね。あの感じ大好き。私の見落としだったら申し訳ないけどスチュは額縁を最後以外は踏み越えない。その対比が好きだし、最後、シガーキスをした二人が額縁を踏み越えて歩いていくのがより印象に残ってる。
初演時から大好きな、ジョンがスチュにベースを教えるシーン。演奏されるのは「johnny B good」。スチュのベースとジョンの歌声。これだけシンプルなのに様になる。初めてベースを手にした、たどたどしい演奏も見事だと思いました。
リヴァプールからハンブルクへ。旅路がダンスで表現されてる。なんて芸達者な5人なんだろう。見惚れた。
「Be-Bop-A-Lula」スチュ、ビートルズの口癖。そして観劇した者たちの合言葉。間違ってたら申し訳ないけど、ジョンのガチ音源使ってたのではなかろうか。ここで舞台奥からじわじわ踊りながら前へ出てくる5人の湿度の高い感じ?すごく好き。
ハンブルクへ移ってから描かれている、10代だった彼らの若さ溢れる、タバコ!酒!女!なロックで熱い青春時代に羨ましさを感じてしまうほど5人がとても輝いている。
なんといってもこの舞台の大きな見どころの一つの『生演奏』は魂ごと揺さぶられる。このあと何度か出てくる、演奏の技術が劣っている…というお話の流れを阻害しかねないクオリティ。正直、この公演期間限定、劇場限定としてしまうには惜しすぎる演奏。劇場の外には持ち出せないこの儚さも、また一興なのでしょうか。ヤダムリ!音源化して!!
そんなこんなでハンブルクで熱い夜を過ごす彼らの虜にすっかりなってしまった頃、私とは一生分かり合えないであろう、スチュのもう一人の運命、アストリッドの登場。クラウスくん、マジどんまいやで。恋に浮かれたスチュがアストリッドに向けて歌う「Love Me Tender」。あのねっとり具合、最高だった。
初演時とはキャストが変わったアストリッド。私はどうしてもアストリッドの存在を飲み込めずにいます。
スチュに「変わらない心が嬉しい」といった彼女。大事なレコーディングを飛ばしてまでアストリッドとのデートを選んだスチュを叱った彼女。「あなたは画家よ」とスチュを諭した彼女。スチュの存在、ビートルズの存在によって一番大きく変わったのは彼女だと私は感じた。彼女の変化や台詞にどうしても整合性が見いだせず初演時から再演を経ても腑に落ちないままだった。私の中でそういった彼女の矛盾を肯定できるものにしてくれていたのは初演時のアストリッドの方だったかな。初演時ではまだ、天才や運命という不確かなものに説得力を持たせられる危うさをはらんでいたと思う。再演のアストリッドは強い。とても。スチュを任せられる人、という点にはとても納得できた。
ただ、今作の彼女にはとても”芯”みたいなものを感じて。初演でなかったわけじゃないんだけれど。レコーディング飛ばすことなんて許さないだろうし、クラウスへの義理立てもしそう。画家とビートルズの2足の草鞋を強く進めてくれそうすぎた。そういった意味では再演で解釈の差が大きく開いてしまったかな、と個人的に思った。いつか彼女の存在を、考え方を消化できる大人になれたらいいな。
今回一番痺れたのがJUONさん。かっっっっこよすぎませんか。なによりあの歌声…。というか声。初演時、戸塚さんに必死で気付かなかった自分を殴り飛ばしたい気分。ジョンとスチュの関係に嫉妬しているポール。スチュとジョンの距離が離れれば離れるほどに自然と音楽でジョンと強く近く結ばれていく感じが切ないのに熱くて苦しかった。ポールの弾き語りでアストリッドへの想いに溢れ踊るスチュ。あのシーン、目と耳をもう1セット準備したい。同時に脳に叩き込みたい衝動に駆られます。
初演の記憶が曖昧なところもあるけれど、ピートが脱退してリンゴが合流する流れが丁寧になっていた気がした。初演時の細かい流れは思い出せないけど、え!?そんな伝え方で離脱!?って大混乱してる間もなくリンゴがひょうきんに入場してきてしかもビートルズにめちゃくちゃにこやかに受け入れられていて、感情置いてけぼりになったことだけは心に残っていて。今回なにが違うかはっきり言えないのが悔しいんだけど、ピートはピートなりに強くやってくんだろうな、という信頼がどこかで芽生えていたので、最後のソロ演奏で覚悟を決められたというか…。きっと彼の優等生な面に不和が生まれたりしたんだろうけども、そこんとこもうちょっと説明欲しかったかな。
ジョージ。君はすごいね。辰巳くんがこの番手で舞台に立つのはこれが最後になるのではないだろうかと思わせられるお芝居と演奏でしたね。ジョージの年齢詐称がバレて強制送還されるシーン。彼が一番年下だからなのか、彼が原因で強制送還されるからなのか、両方の意味を持つのかは分からないけど、彼一人だけぱんぱんに荷物持たされてて笑っちゃった。涙を拭う時もわざわざ大量の荷物一旦地面に降ろしてぐしぐし拭うの。かわいい、あまりにも。
再演で一番好きなシーンは、スチュを探して海へ向かうシーン。ジョンとアストリッドが靴を手に持ち、照明で砂浜と灯台を表現し、さざ波の音が遠くに聴こえる。自分の呼吸音が邪魔になってはいけないと、なぜか息をひそめてしまう。アストリッドが「スチュー!」と大声で呼ぶ場面。大きな声を劇場で出しているはずなのに、海辺で遠くに届けているような声に聴こえる不思議体験をした。大きいのに大きくない声。上手く表現できないのが悔しい。本当に海辺で聴いているような気がした。
この海辺での時間は、ジョンとスチュにとってとても大事な時間だけど、ジョンとアストリッド、スチュとアストリッドにとってもかなり大事な時間だったように思う。ジョンとスチュの2人のやり取りに口をはさむことなく、ただ後ろにしゃんと立って聞いているアストリッド。ここでやっとスチュを任せられる人になれたのではと私は思った。
スチュとジョンの熱い抱擁と、ジョンがスチュとアストリッドを抱きしめる時間。大好きだったなぁ。この後に起こる全ての事を納得せざるを得ない。
スチュが絶命し、弔いに生前親しかった人たちが集まるシーン。センターで輝くスチュの作品を囲みながら、アストリッドがスチュの最期を語る。ジョンが彼の死をへらへらと茶化し気丈に振舞う。それに対しアストリッドが激昂しスチュの死に際を絶叫する中、ジョンがふとスチュの作品と向き合い感情が崩壊する瞬間は観劇した2公演とも溢れる涙をとめられなかった。これを書いている今も、思い出すと涙がこぼれ落ちそうになる。あれだけ瞬間的に客席全体が涙し始める経験は今までなかったかも。
そこら中から聞こえる鼻をすする音に、まさに私もスチュの弔いに訪れている気持ちにさせられ、ハンブルクのあのバンドセットの中に佇む5人の姿が走馬灯のように脳裏を駆け巡った。思い出が記憶の中で煌めくってこういう感じか、と。
リンゴが合流し4人になったビートルズの演奏を、客席の後方からゆっくり歩いてステージに向かい、椅子に腰かけ眺めるスチュ。煙草をくゆらせじっと見つめているその視線がとても印象に残っています。客席から見える横顔がとても美しかった。スチュがジョンに黒のコートを着せた後のシガーキスには、なんだか胸が苦しくなりました。喪服に見えた。
私にこのようなクソデカ感情を植え付けた再演も、無事に大千秋楽を迎えてくれました。素晴らしいステージをありがとう。
戸塚祥太さん。次の稽古と並行してこの熱量のお芝居を続けてくれてありがとう。最高にロックな役者さんだと思います。同じ時代に生まれることが出来て、この目でその活躍を見ることが出来て、本当に幸せです。
話題のブリリアホールで観劇してみて…
何かと悪評が目立つブリリアホール。実際に着席し、お芝居を観劇した感想を書き残しておこうと思う。
①3階席1列目どセンター。音響は最高。心配していた台詞が聞き取りにくい、みたいなことも一切なし。しかし、着席すると本当に見事に目線に手すり。演者がステージの前方に立つと消える。スチュが頭痛に苦しみのたうち回る場面、手すりの下からのぞき込む変態みたいになりました。あまりにひどいので幕間に座高を男性の高さくらいで再現してみると綺麗に全て見えました。なんというか、見る側への配慮が全くされていないことがよく分かりました。
②1階中列最下手。注釈付きS席で購入。舞台セットの都合上見切れが発生してしまうのは仕方のないことだし、最大限配慮されていたように実際観劇して思ったので大して気にならず。ただ!音響最悪。バンド演奏は問題なかったけど、台詞。常に薄っすら二重?くぐもって聞こえる。中耳炎にでもなったかと思う。たぶんだけど、この劇場にセンターブロック以外に真っ直ぐ音を伝える気のあるスピーカーがひとつもないと思う。どこかにぶつかってきた音が耳に届く感じだった、常に。
今後もしブリリアホールでお芝居を見る機会があったら1階席中列から後列のセンターブロックがいいな。
なんだかんだ、お芝居の力で120%楽しませてもらい、胸いっぱいで帰宅しました。Tシャツ欲しかったなぁ。